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技術用語集
緩衝材衝撃緩衝特性の調査方法
【緩衝材衝撃緩衝特性の調査方法】
一般的な落下衝撃試験を下図に示します。
図のように硬い床に緩衝材料を設置し、重りを垂直に落下させます。
重りには、加速度ピックアップと呼ばれるセンサーを付け、衝突した瞬間からの加速度(衝撃力)の大きさを計測します。
また変位計を床面に設置し、重りの位置を検出します。
変位計には直接重りに取り付け測定を行うタイプもあります。
測定は重りが落下し、緩衝材にぶつかった瞬間の位置を基準とし、重りが緩衝材に潜り込んだ距離(変位)または時間とその時重りに掛かっている衝撃力(加速度)を同時に測定します。
下図に、重りが緩衝材にぶつかってからの衝撃力(加速度)の時間による変化のデータ例を示します。
同様に、衝撃力(加速度)と緩衝材への潜り込み量(変位)の関係を下図に示します。
緩衝材に衝突(A点)した重りは緩衝材に潜り込みます(A→B→C)。 この時C点で緩衝材中に最大に沈み込み、その後C→D→Aの経路で緩衝材に押し戻され、A点から再び空中に放り出されます。
また、図のB点が最大衝撃力を受ける位置です。 この図で(Wa+Wb)は、衝突する物体の衝突時に持っているエネルギーを表します。 Waは、緩衝材の内部で熱エネルギーに変わる量です。 衝突時に物体が持っていたエネルギーの内この分が、物体が衝突してから緩衝材に潜り込み、再び空中に放り出される間に失われます。
Wbは、再び物体に戻されるエネルギーで、このエネルギーの分だけ物体が跳ね返ります。 従って、Waの割合が大きい緩衝材は衝突物が跳ね返らず、Wbが大きい緩衝材はよく跳ね返ります。
ここで注意が必要なのは、物体が緩衝材に衝突した際に受ける最大衝撃力と、物体がどのくらい跳ね返るかは別の特性になることです。 最大衝撃力を小さくするためには柔らかな材料で、なるべく変位を大きくとるのが効果的ですが、物体がどのくらい跳ね返るかはその材料が持っている硬さとは別の特性になります。一般的に跳ね返りの小さな材料は最大衝撃力も小さいと思われがちですが、あまり跳ね返りを小さくすると最大衝撃力を抑えるには逆効果となります。 またスポーツシューズの用途では、あまり反発を小さくするとキックするエネルギーが失われてしまい、スピードや跳躍力を生かすことができません。
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